金はアクセサリーに含まれている金属としておなじみですが、資産家にとっては金で財産を保有することがインフレリスクヘッジや長期的な価値の保存などに役立つため、資産の保有形態の1つとして活用されています。さまざまな目的で売買が行われる金は常に国際的な取引が行われ、毎日価格が変動します。そこで、金の価格についてお伝えします。

金の価値とは?

金は数千年前に発見された金属で、化学的には特殊な液体でしか溶けず安定しているという特徴や、金属の中では柔らかいという特性もあり加工がしやすいため、ハイテク製品の配線などに使われることもあります。また、人を魅了するゴールドの輝きを放つことから、身に付けたり権威を示したりするためにアクセサリーや調度品として利用されることも多いです。さらに、何もない状態から化学的に金を生み出す錬金術は発見されておらず、金を手に入れるためには資源として鉱山から掘り出すしかないため、希少価値があります。そのため、長期間保有しても価値がゼロになることがない資産として、金地金や金貨などの形で資産家が保有しています。不動産と比較すると簡単に移動でき、貴金属店や買取業者に売却することで比較的簡単に現金化できるというメリットもあります。ただし、希少価値があることから多くの金を手に入れようとすると多額の資金が必要になります。

金の価格はどのように変化してきたか?

金の国際的な取引単位は1トロイオンスと呼ばれていて、ドル建てで取引されています。1トロイオンスは約31グラムです。この取引価格を数十年という長い単位で見ることによってさまざまなことがわかります。金の相場変動グラフを見ると、1970年代までは金の価格は1トロイオンス約200ドル前後で推移していました。しかし、中東での戦争や政情不安の影響で一気に800ドルを超える水準まで上昇します。その後は、2000年代前半まで400ドル前後で価格が安定する期間が長く続きますが、米国の同時多発テロ以降は、2012年のピークである約1900ドルに向かって一気に価格が上昇しました。その後は少し価格水準が下がり、1200ドルから1400ドル近辺での値動きとなっています。日本円ベースの価格は、国際的なドル建て価格に為替レートをかけて求めることになっていますので、ドルベースの相場変動グラフとは少し違った形のグラフになります。


金相場に影響を与える要素とは?

金の相場変動グラフをみると、金価格に大きな影響を与える現象が見えてきます。それは、戦争やテロなどによって国際的な不安が高まると金価格が上昇するという現象です。これは、紛争などに巻き込まれた国のトラブルがきっかけとなって金融不安が起こったり、景気が減速したりする可能性があるからでしょう。金は長期的に価値を保存できますので、リスク資産からの逃避先になっているのです。また、リーマンショックやアメリカの金利政策の変化といった純粋な経済的な事象も、金価格に影響を与えるということが読み取れます。株式などに投資にされているリスク資産を回収して安全資産としての金に資金がシフトすると金の需要が増加します。それによって、価格が上昇するということが過去に何度か発生しています。このようなことを理解していると、金価格の動向がある程度読めるようになってくるかもしれません。もし金のアクセサリーで使わないものを持っている場合は、金価格の動向を見ながら売却を検討してみるとよいでしょう。