海には多くの沈没船があり、内部には財宝が眠っていることもあります。財宝は高い価値を付与されることが多く、引き揚げが大きく報道されることもしばしばです。財宝を目当てに探索するトレジャーハンターや、内部で眠っている財宝の例、発見物の所有権に関わるポイントなどをご紹介します。

沈没船の財宝を探すトレジャーハンター

海底には、難破船をはじめとする沈没船がいくつも沈んでいます。沈没船には比較的近年のものもあれば、古い場合は中世や近世に遡るものもあります。これらの沈没船に積まれていた財宝を、海底に潜って見つけ出すのがトレジャーハンターと呼ばれる人々です。トレジャーハンターが対象とするのは、市場で高値をつけられる物品が主ですが、考古学的に価値のあるものも対象となることがあります。アメリカやイギリスには、トレジャーハントのみで生活するプロもいますが、見つけた物品の権利関係などが複雑であるため、注意深く進めることが必要な仕事でもあります。

沈没船から金貨が発見されることも

そんなトレジャーハンターたちが見つけ出すのが、沈没船に積まれていた金貨や銀貨、アクセサリーなどの財宝です。近年では、たとえば2016年にイスラエル沖で1600年ほど前に沈没した商船が見つかり、銅像や貨幣など古代ローマの遺物が発見されています。周辺の海域では1年前の2015年に2000枚の古代金貨も発見されました。また、同じ2015年には400年近く前に沈んだ中世の沈没船から、イングランド王家にまつわる衣服や物品が引き揚げられています。このように世界中のあちこちで沈没船が発見されており、中から見つかった遺物はいずれも高い学術的価値や資産価値を付与されているのです。これまでに確認された財宝のうち史上最大額となったのは、第2次世界大戦中にインド周辺で発見されたイギリスの蒸気船内にあったものであり、総額約170億円と見積もられる銀塊が残されていたと報じられています。なお日本周辺では、旧日本軍の船舶が見つかることが多く、あまり財宝とはむすびついていません。


沈没船の財宝は誰のものになる?

沈没船から引き揚げられた財宝は、単純に発見者の手に渡るわけではありません。海外の場合は裁判によって所有権が判断されることが多く、発見者ではなく船舶の所有会社に権利が渡ることもしばしばです。また、その海域を管轄する国家が所有権を得るケースもあります。なお沈没船は近年文化遺産としての価値も注目されるようになったため、無断で沈没船に立ち入ること自体が咎められることもあり、探索する際は事前に政府に申請する事例も増えてきています。なお日本の場合、もし沈没船で価値のある物品を発見したら、水難救護法という法律が適用されることになります。発見者は沿岸の市町村に届け出をし、市町村が公告を行います。財宝が沈没船内から見つかれば1年以内、むきだしのまま海中で見つかれば6カ月以内に遺失者が現れなかった場合、発見者のものとなるのです。発見者は保管や公告に要した費用を市町村に支払う必要があります。遺失者が見つかった場合でも、遺失者は発見者に対して物品の価値の1/3にあたる金額を支払うことになります。