財産の保全のためにインゴットを所有している人にとって、生前にその財産を次の世代へどのように移転させるかは重要な課題です。特に、贈与税の負担を考えた贈与税対策をすることが大切です。そこで、インゴットの贈与税対策についてご紹介します。

                          

インゴットとは?

インゴットとは、直訳すると金属の塊という意味で、鋳型に金属を流し込んで一定の形に固めたものです。金の場合、金の延べ棒や金地金、ゴールドバーなどはインゴットと同じ意味で使われています。金のインゴッドは重さによって多数の種類があり、ペンダントなどとしての需要がある1グラムから20グラム程度のものもあれば、500グラム、1キログラムなどのものもあります。1キログラムのインゴットはキロバーと呼ばれます。また、ロンドンの金市場で取引されるインゴッドは12.5キログラムもあります。インゴットには、ブランド名や重量、シリアルナンバーなどが刻印されています。金融資産としての金は保有していても利息は付きませんが、土地と同様に価値がゼロになることがなく、不動産とは違って移動が可能という特徴があります。そのため、財産の一部を金で保有し、財産の保全を図っている人もいます。

インゴットを贈与した場合の贈与税

インゴットは財産保全目的としても活用できますが、比較的簡単に運ぶことができるので財産移転目的にも活用できます。インゴッドを売却した場合は、売却益に対して所得税や住民税などがかかりますが、個人間において無償で財産を移転した場合は、財産を受け取った人に対して贈与税が課されます。贈与税の計算方法ですが、まず贈与を受けた財産の時価を計算します。金の場合は、市場価格が参考となります。次にその金額から110万円の基礎控除を引いて残額を求めます。1年間に複数回の贈与を受けた場合でも基礎控除は年間で1回しか引けません。基礎控除を引いた残額が計算できたら、その金額を贈与税の税率表に当てはめて贈与税を計算します。贈与税率はインゴットの金額によって10%から55%の税率が適用されます。贈与税は申告納税方式ですので、贈与を受けた人は原則として確定申告が必要です。


インゴットを生前贈与する場合の贈与税対策

贈与税の最高税率は55%で相続税と同じですが、最高税率が適用される課税金額は贈与税の方が低く設定されています。そのため、単純にインゴットを生前贈与してしまうと贈与税の負担が大きくなり、生前贈与をしない方がよかったという結果になる可能性があります。インゴッドを生前贈与する場合は対策が必要です。贈与税対策は主に2つ考えられます。まず、基礎控除を上手く活用して時間をかけて生前贈与する方法です。毎年いくらと決めてしまうと定期贈与と認定されて高額の贈与税が課税される可能性がありますので、毎年状況を見て金額をその都度決めるようにするなどの注意が必要でしょう。もう1つは、相続時精算課税制度を活用する方法です。この制度を活用すれば生前贈与累計額2,500万円までは贈与税は非課税になりますので、有効な贈与税対策になります。精算課税制度ですので相続が発生した場合は、生前贈与分も含めて相続税が課税されますが、贈与後のインゴットの値上がり部分については非課税になりますので、相続税の節税につながる可能性もあります。