宝石珊瑚は真珠と並び、数少ない有機物由来の宝石です。その中でも赤珊瑚は特に高い人気を誇ります。ただ、そのすべてが高級品だというわけではありません。同じで赤珊瑚でも高価のものとそうでないものに分かれるのです。それに、赤珊瑚以外にも高い珊瑚は存在します。そこで、価値の高い宝石珊瑚はどのようなものかについて、赤珊瑚を中心にご説明します。

宝石珊瑚の種類と価値

一般に、珊瑚というと南の海に広がる珊瑚礁を連想しますが、宝石珊瑚はそれとは全くの別物です。宝石珊瑚は珊瑚礁のように浅瀬に姿を現すことはなく、深度100メートル以上の深海に生息しています。赤珊瑚、桃珊瑚、白珊瑚、深海珊瑚などの種類があり、それぞれに独特の美しさがあります。それでも、赤珊瑚が最も人気を集めているのは希少性の高さゆえです。また、中国では珊瑚は翡翠と並ぶ人気の宝石であり、赤珊瑚に目をつけた富裕層が買い占めを行った結果、価格が高騰したという側面もあります。他に価値の高い珊瑚と言えば、純白の珊瑚が挙げられます。白珊瑚はその名のイメージに反して、普通は薄い桃色かセピア色です。ところが、ごくまれに純白の白珊瑚が見つかります。滅多に手に入らないため、破格の値段がつくのです。一方、桃珊瑚は赤っぽいものから白っぽいものまで幅広い色があります。その中でも、薄い桃色をした単一色の珊瑚は『エンジェルスキン』と呼ばれ、高値で取引されています。

産地によって異なる赤珊瑚のクオリティ

非常に人気の高い赤珊瑚ですが、赤珊瑚ならどれでも同じというわけではなく、宝石としてのクオリティは産地などによっても異なります。例えば、地中海産の赤珊瑚は色が明るくて材質も柔らかいのが特徴です。そのため、表面の傷や内包物の白濁が目立つという欠点があります。それに対して、日本産の赤珊瑚は色が濃くて透明感があり、白濁も目立たないため、地中海産の赤珊瑚と比べて高い評価を得ています。中でも、血液のように色が濃くて赤黒いものは血赤珊瑚と呼ばれ、赤珊瑚の頂点に立つ存在です。特に、高知県の土佐湾で採れる血赤珊瑚は、世界でも最高の赤珊瑚だとされています。しかし、同じ場所で採れた赤珊瑚でも品質は同じだとは限らず、色味もひとつひとつ異なります。そのため、カラーグレードという評価基準があり、1~5の5段階で色味の判定を行っているのです。数字が大きくなるほど色味が濃いことを示し、5が最高評価だというわけです。ちなみに、血赤珊瑚はカラーグレードの評価基準では、色味が4~5のものを指します。


色味だけではない!赤珊瑚の評価基準

赤珊瑚の評価の目安となるカラーグレードは、単に色味だけでなく、色ムラや傷なども評価の基準にします。例えば、珊瑚は、単一色に近いものほど高値がつくため、色がまだらになっているものは限定対象です。また、日本産赤珊瑚の特徴として、『フ』と呼ばれる白い斑点や模様がしばしば見られますが、これが目立つと価値を下げてしまいます。そのため、ジュエリーにする場合は、『フ』のある部分に穴を開けて加工し、表からは見えないようにしています。当然、くぼみや傷もマイナスですが、珊瑚で特に多いのが、『す』です。海の中で珊瑚が倒れ、時間の経過と共に色あせ、表面に穴があいて虫食い状態になる現象です。こうなると、宝石としての価値は大きく損なわれてしまいます。その他にも、深海から引き上げる際に、水圧差でひび割れを起こすことがあります。『ヒ』と呼ばれる現象で、当然、これも減点対象です。カラーグレードは、これらの要素を総合的に判断し、S~Dの5段階で評価します。減点要素が肉眼では全く確認できない場合はS評価、傷や色むらが確認できるだけでなく、明らかに目立つ場合はD評価となります。赤珊瑚の購入や買取を検討している人は、以上の点を参考にしてみるとよいでしょう。