海の宝石として太古から愛されてきた珊瑚の中でも、特に高い人気を誇るのが赤珊瑚です。生命の鼓動を感じさせる独特の赤い色は多くの人を魅了してきました。しかし、その鮮やかな赤も、何もしないでいるといずれ色あせてしまいます。そこで、赤珊瑚の魅力をいつまでも保つために正しいお手入れ方法と保管方法についてご説明します。

日々の手入れが大切

珊瑚の主成分は炭酸カルシウムです。炭酸カルシウムは塩酸に反応して二酸化炭素を放出する性質からも分かる通り、酸に弱い物質です。そのため、珊瑚が汗に濡れると変色して白くなったり、表面の光沢が失われたりする恐れがあります。赤珊瑚のアクセサリーやジュエリーを使用する際には、直接肌に触れないように気をつけてください。しかし、いくら注意をしていても体に身につけている以上、微量の汗が付着するのは避けられません。そこで、重要なのは日々の手入れです。珊瑚のアクセサリーやジュエリーを使った後は、セーム皮かそれに代わる柔らかい布を使って汗やほこりを優しく丁寧に拭き取ってください。ただ、珊瑚の硬さは人間の歯程度しかなく、宝石の中でも比較的柔らかなものなので強くこするのは厳禁です。また、果汁などの酸性の液体が赤珊瑚にかかった場合は、素早く拭きとる必要があります。その際は、軽く水洗いをしても大丈夫ですが、その後、水気を拭き取ってしっかり乾燥させるのを忘れないでください。そのままにしていると光沢が失われる可能性があります。

汚れが目立つようになった時のお手入れ方法

赤珊瑚の汚れが目立ち、布で拭いても取れない場合は、重曹を使ったお手入れ方法があります。まず、水と重曹を8:2の割合で混ぜ合せ、その中に赤珊瑚を入れて指の腹で洗います。洗い終えると、重曹の成分が残らないように念入りにすすぎ洗いをして、よく乾かしてください。水分の除去にはドライヤーなどは使用せず、布でふき取った後に自然乾燥させるのが一番です。他の貴金属を使用しているジュエリーやワイヤーで組まれているネックレスも同じように洗って問題ありません。ただし、糸で組まれたネックレスを水につけるのは避けてください。内部の糸が生乾きになり、切れやすくなってしまいます。また、日々の手入れをきちんと行っていても、時間と共に表面の光沢は次第に失われていくものです。その時は研磨剤で磨けば、大抵の場合は光沢を取り戻します。ただ、素人が自己流で磨くよりも専門店で相談した方が安心です。


赤珊瑚の正しい保管方法

赤珊瑚の美しさを保つためには、手入れだけでなく保管方法にも気をつける必要があります。まず、珊瑚は有機物でできており、一般的な宝石と比べると傷がつきやすいので他のジュエリーやアクセサリーと触れ合わないように個別で保管することが大切です。また、タンスにしまう場合も防虫剤やタンスに使用されている接着剤などの成分の影響で変色する可能性があります。保存の際には、密封できるビニール袋などに入れ、空気中の成分が赤珊瑚に触れないように気をつけましょう。さらに、珊瑚は熱に対しても弱いため、炎天下の車内に放置したり、暖房器具の近くに置きっぱなしにしたりすると品質が落ちてしまいます。このように、赤珊瑚の価値を保つには、こまめな手入れと正しい方法での保管が欠かせません。特に、買取りに出す際は、どれだけ大事に扱ってきたかが値段を大きく左右します。せっかくの赤珊瑚がいつの間にかがらくた同然になってしまったなどということがないように十分注意をしましょう。