翡翠という宝石の英名は3つあります。ジェイドとジェダイト、ネフライトです。このうち、貴石の翡翠はジェダイトで、ネフライトは半貴石となっています。同じ翡翠なのにどうしてこのような違いがあるのかを説明します。

最初は両方ともジェイドと呼ばれていた

ジェイドという名前は、スペイン語の「Piedra de ijada」という言葉からきているとされています。腰に下げる石という意味で、腰痛などを治す不思議な力を持つと考えられていたのです。ジェダイトとネフライトは外観が似ているので、長い間両方ともジェイドと呼ばれて、区別はされていませんでした。しかし、19世紀になってから硬石と軟石のジェイドがあることがわかり、硬石をジェダイト、軟石をネフライトと呼び分けるようになったのです。鉱物学的にはジェダイトはヒスイ輝石、ネフライトは角閃石の仲間となっています。輝石と角閃石はどちらもケイ酸塩鉱物で、鉱物学的にもなかなか似ているので、結晶構造の違いによる特定の角度での石の割れやすさなどで判別しています。宝石の貴石は、希少価値と硬度で大体決められています。ダイヤモンドのように貴重で硬い石が貴石になります。しかし、ジェイドは硬石のジェダイトでも貴石の基準から言えば柔らかいのですが、「東洋のエメラルド」という別名を持つほどの価値を認められているため、貴石となっているのです。

カラフルなジェダイトには高い価値がある

ジェダイトの基本の色は白です。翡翠は緑色というイメージですが、それは宝石の中に含まれるさまざまな含有物のためなのです。ジェダイトの9割はヒスイ輝石ですが、それ以外にクロムや鉄などが入ることで鮮やかな緑色が発色します。また、翡翠は地下で岩石が高熱を受けて作られますが、採掘される場所の条件によっても発色の仕方は変わると考えられています。そこで、ジェダイトはいろいろな色を持ち、ラベンダー、イエロー、ブラック、ピンクなどかなりのカラーバリエーションがあるのです。ジェダイトは和名では本翡翠という呼ばれ方をされ、現在宝石として市場に出回っているのはジェダイトの方です。色が濃く鮮やかで透明感があるものが高価値となっています。ジェダイトは、宝石として出回る前につやを出したり、割れたりしないような処置をされますが、その際に石に着色処理がなされることがあります。そのような石はジェダイトといっても価値が下がるため、購入時には注意が必要です。


ネフライトも古代のセレブに愛された歴史が

ネフライトは、現在では宝石というよりパワーストーンとして人気がある石です。色は緑や暗緑色とグリーン系ですが、黒いネフライトもあります。カラーバリエーションはジェダイトより少なめです。古代の中国では翡翠といえばネフライトで、宝石という意味の「玉」と呼ばれました。魔除けや幸運を呼ぶ石として珍重され、やわらかくて加工しやすいこともあってアクセサリーや工芸品に使われて、王族など高貴な人々が身に付けたのです。そんな歴史もあり、ネフライトはパワーストーンとしても繁栄や成功を引き寄せる石とされます。買取という点でのジェイドはジェダイトということになりますが、最高級のネフライトは羊脂玉といって、場合によってはジェダイトよりも高い価値を持つこともあるのです。ジェイドはジェダイトもネフライトも、素人の目では判別が難しい石です。購入も買取も信頼できる店で行うのがベストです。