野生の動植物に対して設けられているワシントン条約を知っていますか。動物愛護の動きは世界的にも加速しており、日本は先進国の中でも遅れている方に分類されます。この動物愛護は私たちが何気なく身に付けている毛皮製品なども例外ではありません。

ワシントン条約とは?

ワシントン条約は、1973年にアメリカのワシントンで絶滅の恐れがある動植物を守ることを目的に結ばれた条約です。背景としては、1972年にストックホルムで開催された国連人間環境会議において、絶滅の危機に瀕している動植物を守ることを世界的に考えていくべきだという趣旨の勧告がなされたことで、ワシントン条約の締結に至りました。テレビなどでも報道されているように、地域によっては野生の動物を不法に捕獲し密猟するなどの行為が多発しています。地球上では過去に人間の影響によって姿を消してしまった動植物たちが数多くいますが、このような状況を放置していたら、ますますこの流れが加速します。人間のエゴで地球上の動植物たちが絶滅してしまうのは問題でしょう。これら動植物の愛護という目的を達成すべく結ばれたのが本条約です。この条約には世界180か国以上の国が署名をしており、日本でも1975年に署名をし、1980年からこの条約が発効されるようになりました。

毛皮に対する規制

私たちが何気なくファッションとして身に付けている毛皮製品なども、元をたどればそれは野生の動物です。そのため、普段意識することはなくても、実際は毛皮製品の輸出入にはワシントン条約による厳しい規定が定められているのです。特に、トラやヒョウ、ラクダなどはワシントン条約で定められた保護にあたいする動物の代表例です。これらの毛皮を輸入するためには輸入承認証という書類が必要になってきますし、逆に国外へ輸出するためにも輸出許可証といった書類が必要になってきます。このワシントン条約によって定められた規則を破った場合には刑事罰の対象ともなり、非常に重要視されていることがわかります。私たちがおしゃれとして身に付けているこれらの毛皮も命ある動物から作られたものであるということを忘れずにいたいものですね。


旅行などの際に毛皮製品を身に付けるのにも注意が必要

ワシントン条約の大まかな概要をみてきましたが、この条約は毛皮の輸出入にしか関わらないから自分には関係ないと思ったら大間違いです。海外旅行に行く際に、毛皮のコートなどを身に付けている場合には税関で止められることがあります。また、逆に旅行先で毛皮製品などを購入した場合も、国内に持ち込むためには所定の手続きを取らなければ持ち込みは認められません。海外では日本国内よりも動物愛護の活動が活発な地域もありますので、そのような場所に旅行で行く場合には税関が通ったとしても、現地の人たちに白い目で見られる可能性が大いにあります。特にヨーロッパなどではこの動きは顕著ですので、旅行先の文化や動物愛護の考え方を事前に調べておくようにした方が良さそうです。ちなみに、ワシントン条約の規制対象は動物だけではなく、植物も該当しますので、植物を原料としている漢方薬なども規制対象となることに注意しましょう。