着物の生産量は減少傾向にあります。昔に比べなかなか手が出せない高級品となり需要が高まっています。実は、買取の需要の増加は、着物の持つ性質と関連しているのです。

高度経済成長期の伸長と1970年代以降の減少

着物需要のピークは高度経済成長期にありました。第二次大戦後の衣類不足を補うために着物の生産量は増加しましたが、普及が急速に進んだ反動もあって、1970年代以降は生産量が急激に下降しました。石油危機の影響で生糸の値段が高騰したことも背景にあり、その分買取における価値が非常に高くなっているともいえます。生産と買取の市場ニーズは比例し、着物の生産量が減って市場に流通する量が少ない時代こそ、買取の価値は飛躍的に向上していきます。もしかして大切な着物を売ることにためらいを感じていませんか。買取は思い出を捨てることではなく、思い出を新たな誰かに引き継ぐという側面もあります。

着物のフォーマル化・高付加価値化

着物の立ち位置が時代とともに変化したことがうかがえます。終戦後まで着物は日常で着る衣服として親しまれましたが、アメリカをはじめ西洋文化が庶民に浸透したことで需要が低下し、着用層も限定され始めました。特に、化学繊維を用いた着物の大量生産が目立ち始めてからは、生糸を使った手織りの着物が伝統工芸品として価値が見直されました。希少な原料を用いて手作業で昔ながらの生産を行う、この生産の姿勢にこそ買取の価値を見出します。一生に数回しかないフォーマルな場面で使用される高級品というステータスを獲得したことも重要なポイントです。市場のニーズでもわかる通り、生糸を使った着物の生産はかなり減少しており、それが逆に買取への需要の増加につながっています。

流通段階における価格上昇とリユース市場の増大

着物の流通過程は非常に複雑で、そのことが着物の最終価格を押し上げています。まずは染加工問屋と呼ばれる加工業者からスタートし、前売り問屋、地方問屋と進み、最終的に全国の百貨店や小売店へと渡るルートがあり、一部の伝統工芸品は原価の10倍以上もの値がつくことがあります。バブル崩壊以降、このような従来の流通過程は下火になりつつあります。現在では不要になった着物を古着としてそのまま販売するリユース市場の規模が年々大きくなり、着物市場全体に占める割合が増加しています。