「着物をより長持ちさせるための上手なお手入れ方法を知りたい」。

今回はそういったお悩みにお答えしていきます。実際、着物はデリケートで簡単にシワができたり、シミができたりしてしまいます。そのため頻繁なお手入れが必要です。

今回は着物をより長持ちさせるために、「着物の汚れやすい部位」「着物のお手入れ方法」を解説していきます。

着物を着用後はなぜ手入れが必要なのか

着物の着用後はできるだけお手入れをする必要があります。

着物をこれだけ慎重に扱わないといけない理由は、着物の素材と関係しています。着物の主な素材は「絹」です。

絹は湿気や水分を寄せつけやすい特徴があり、手入れを怠るとスレたり生地が緩んだりなどのトラブルが発生しやすい傾向にあります。

特に湿気を吸いやすい着物は、カビが発生する可能性が高いです。そのため、着用後は注意深くカビがないかをチェックしていく必要があるでしょう。

汚れやすい着物の部位を教えて!簡単チェック

ここから着物の中でも特に汚れやすい5つの部位を紹介していきます。

部位1:衿

衿とは洋服で言う襟(えり)にあたる部分です。衿は様々な汚れがつきやすい部分の1つです。理由は衿が顔に近いということにあります。

顔や首周りに近い衿というのは、食事をする際に汚れてしまう傾向にあります。さらに、首周りの汗や顔に塗ったファンデーションも衿につきやすいので注意が必要です。

       

部位2:袖口

袖口とは袖の端の、手首が出る部分のことです。  袖口は汗をかきやすく手首に触れやすい傾向にあります。そのため、着用後は皮脂や汗がいていないかをチェックするようにしましょう。   

部位3:裾

裾とは着物の下部のふちのことです。 裾には砂埃や泥跳ねがつきやすい傾向にあります。

裾に砂埃や泥はねがつきやすい理由は、足元に近いからです。特に雨上がりに外に出ると、泥はねがつきやすいので注意しましょう。

       

部位4:前身頃

前身頃とは着物の身頃のうちの前の部分です。 前身頃に付きやすい汚れは、食べこぼしです。食事をするとどうしても着物に食べ物を落としてしまうことがあります。

 食事の際に特に汚れが付きやすいのが前身頃です。そのため、着物を着て食事をした後は食べこぼしがないかチェックするようにしましょう。

部位5:裏地

裏地とは衣服の裏に使う布のことです。裏地につきやすい汚れは汗染みです。

着物を着ているとどうしても汗をかいてしまうことがあります。汗をかく際に裏地は肌に近いため汗を吸い取ってしまう可能性が高いです。

そのため、着物の着用後は裏地に汗がついていないかを確認するようにしましょう。

着用後のお手入れ方法

着物の着用後のお手入れ方法は以下の通りです。

実践1;まずは風通しの良い日陰で数時間程度干そう

着物の着用後は風通しの良い日陰で数時間程度干すことをおすすめします。

理由はそのままタンスに閉まってしまうと、カビや黄ばみが発生してしまう可能性があるからです。着用後の着物には汗や体温、湿気が含まれていて、そのままタンスに閉まってしまうと菌が繁殖してしまいます。

そのため、着物の着用後は数時間風通しの良い場所で干すようにしましょう。

【着物を干す際に注意するポイント】
  • 生地が傷む可能性があるため直射日光の当たらない場所に置く
  • 確実に湿気を飛ばすために最低2時間程度は風通しの良い場所に干しておく
       

実践2:ホコリを落とすお手入れ方法

着物を干し終わった後は、ブラシまたは乾いた清潔なタオルなどで着物についた埃を落としていきます。

野外で着用した着物には、ホコリや排気ガスなどの微粒子がついている可能性が高いです。着物を微粒子がついた状態で置いておくと、排気ガスなどの微粒子が着物を痛めてしまう可能性があります。

さらに、ブラシやタオルで埃を払うことによって、虫食いの原因になる虫がついているかもチェックすることができます。

実践3:汗をたくさんかいてしまった場合のお手入れ方

汗を沢山かいてしまった場合は汗抜きをする必要があります。

汗抜きのやり方は以下の通りです。
  1. スプレーボトルに水を入れておく
  2. 着物を和装ハンガーにかけるか、バスタオル等を敷いた上に広げる
  3. 汗をよくかいた場所に水を裏側からスプレーしていきます。軽く湿る程度でOK
  4. タオルでスプレーをした部分をトントンと軽く叩き、水分を吸い取る
汗にはタンパク質やミネラルが含まれています。そんな栄養豊富な汗をそのままにしておくと変色やカビの元となってしまうので、できるだけ素早く汗抜きを行いましょう。

実践4:シワを作らないためのお手入れ方法

シワを作らないためにおすすめの手入れ方法がアイロンがけです。

しかし、着物の生地はデリケートなため、普通の洋服と同じ方法でアイロンがけをしてしまうと傷んでしまう可能性があります。

そのため、着物をアイロンがけする際は以下の方法で行うことをおすすめします。
  1. アイロン台に着物のしわのところをおく
  2. 当て布に霧を吹く
  3. 霧がついた場所を、しわの上にのせて、すばやくアイロンをあてる
  4. アイロンは着物の生地の縦方向か横方向に、素早く移動させる
  5. 同じ場所にアイロンがあたり続けないよう、小刻みにアイロンを動かす
  6. 熱が冷めるまで、着物ハンガーに掛けてからたたむ
少し面倒に感じる人もいるかもしれませんが、シワを作らないための重要なお手入れです。

そのため、できるだけアイロンがけはしておくことをおすすめします。

実践5:着用時にシミがついてしまったらどうすれば良い?

シミがついてしまった場合は速やかに適切な処置を取る必要があります。

シミは時間との勝負という面もあるため、シミを発見した場合は風通しの良い場所で干す前に対処することをおすすめします。

種類別のシミの対処法は以下の通りです。

【油性汚れの場合(ファンデーション、口紅など)】
  • ベンジンを白い綿のガーゼにたっぷり含ませる
  • 着物の下に色落ちしてもいい布を敷き、上から着物の生地をトントンと叩いて下の布に汚れを移動させる


【水性汚れの場合(コーヒー、醤油など)】
  • シミがついた部分を、食器洗い用の中性洗剤を水で15倍くらいに薄めたもので濡らす
  • 着物の下に色落ちしてもいい布を敷く
  • 上から着物の生地を白い綿ガーゼか歯ブラシでトントンと叩いて下の布に汚れを移動させる


【油性と水性の混じった汚れの場合(バター、マヨネーズなど)】
  • まず、「油性汚れの対処法」と同じ作業を行う
  • その後中性洗剤による水性汚れへの処理を行う 

シミ取りの際に重要なことは、シミを落としたい部分を上からトントンと叩くことです。
その際に、お越してしまうと生地が傷む可能性があるので注意しましょう。

まとめ

ここまで着物のお手入れ方法について解説してきました。着物はデリケートでお手入れの方法も複雑なので、少し面倒くさく感じてしまった人もいるかもしれません。

しかし、1度カビやシワができてしまうと最悪一生取れなくなってしまう可能性があります。

そのため、着物のお手入れはこまめにするようにしましょう。