ワンピースは、さまざまな素材で作ることができるファッションアイテムであり、着物からもリメイクをして作ることができます。しかし、一枚の生地から作る時と違って、限られたものの中から作ることになるので、着物の特徴を理解することから始める必要があります。

柄を活かしたデザインにしよう

着物リメイクでポイントとなるのが、着物ならではの柄のいかし方です。洋服用の生地を購入する場合にも、柄をいかすということは重要になるのですが、同じ柄を繰り返してプリントされているので、多めの生地を手に入れておけば柄あわせに困ることは少ないものです。しかし、一枚の着物からリメイクするということは、限られたものの中から柄を選んで配置することになるので難しくなってきます。

リメイクを始める前には、まずは一枚の着物をほどくことから始めてみます。大きく広げてメインとなる柄を見つけ、それをワンピースの目立つ部分に配置していきます。後ろ身頃よりも前身頃に柄を持っていき、さらには胸元など顔に近い部分に柄を配置すれば印象的なデザインにすることができます。ここで、逆に裾だけに柄を持って行くというデザインの方法もあります。袖であっても、腕を上げなければ見えないような内袖側よりも肩に近い外袖に柄を配置したり、袖口に柄を持っていくという方法もあります。

次に、リメイクの際にはパーツごとのつながりも必要になってきます。着物の幅は狭いので、サイズによっては前身頃にハギを入れなければならないことにもなります。この場合、ハギのつなぎ目の柄にも着目していきます。ハギをデザインとして柄部分と無地部分を合わせるという方法もありますが、つながったように見せたいのであれば柄あわせが必要になってきます。前後のつながりや袖、襟など全てのパーツとのつながりを考えていきます。

耳を活かしたデザインにしよう

着物にも洋服にも、布の端には耳と呼ばれる部分があります。耳は反物の両端のことを言い、ほつれないように処理されているという特徴があります。ワンピースにリメイクするする時にも、この耳を利用するというのは縫合時間や手間を短縮することにつながるので、耳の位置をしっかりと理解してから型紙制作や型紙の配置と裁断を行う必要があります。

一般的なワンピース用の生地では、柄や織りが耳の端まで入っているということは少なく、ロス分が多くて耳を利用するとなれば縫い代が広すぎてしまうということもあります。しかし、着物の反物になればちょうど縫い代分におさまる程度の耳のぎりぎりまで活用することができます。

耳をそのまま活用できるということは、布端の始末をする必要がありません。生地は縦糸と横糸を織って作られているものであり、切りっぱなしであればワンピースを着ている時の摩擦や洗濯をした時の摩擦でほつれてしまうことになります。そのために、布端の始末は欠かせないものであり、ワンピースに裏地を付けるのであれば、ロックミシンで布端の始末をするというのが一般的です。

ロックミシンやロックミシンの機能が付いていない直線縫い専門のミシンしか持っていないという人であれば、布端の始末はパイピング始末になってしまいます。布端をバイアス方向に裁断した細い生地で包むことになり、非常に手間がかかることになります。より早くワンピースを仕上げるためにも、布端の始末がいらない耳を活用します。リメイクの際には、背中心などの直線部分は残っている耳に合わせて裁断するようにしましょう。


生地の厚みも考慮してデザインしよう

着物をワンピースにリメイクするという時、その着物によって合うデザインというのは違ってきます。後から着物を探すというのであれば、自分のイメージに合ったものを見つけ出せばいいのですが、すでに持っている着物からリメイクをしたいという場合には、その着物の特徴を生かしてデザインや作図をする必要が出てきます。

デザインは柄や色にも左右されますが、素材の厚みによっても変わってきます。ワンピースとなれば、スカート部分は女性らしい揺れるデザインにしたいという人もいるでしょう。しかし、厚手の着物であればひらひらと揺れることはなく、フレアー分を多くすることによって重さを増してしまうことことになります。厚手であればそれに合ったデザインがあり、タイトなシルエットのワンピースにするといいでしょう。ただし、着物地はストレッチ性がないので、あまりに体のフィットしたデザインになれば着心地が悪くなってしまいます。ある程度のゆるみは入れつつも、ぼてっと重く見えないようなデザインを考えてみます。

また、薄手の着物地の場合には、フレアーやギャザーも美しく見せることができます。ただし、薄い分だけ透けという問題が発生してきます。夏用のワンピースであっても、裏地を付けることはかかせません。また、薄くても着崩れしないように、ヨークや衿、前端などの目立つ部分は、裏側に接着芯を貼ることによって、しっかりとした厚みとハリを出すことができます。見えない部分の処理も手を抜くことができないものであり、薄手であっても着物らしいぱりっとした印象を与えることができます。

生地巾を考えてデザインをする

着物は、反物と呼ばれる一つの巻物として販売されているものであり、幅は37㎝程度が一般的です。長さは13m程度であり、これは普通の身長の人が着る着物を制作するのに十分足りるように計算された長さになっています。これ以外にも、身長が高い人や男性向けの反物になると、多少の幅の広さや長さがあるものも販売されています。

一方、洋服になると原反と呼ばれる反物で、巻きの長さは50mが多いものの着物のように決まった長さに統一されてはいません。生地屋で必要な長さだけカットしてもらって、無駄なく購入することができます。また、生地巾では89cmや112cmが多いものの、ウール素材になればダブル幅と呼ばれるように150cm以上のものもあります。

ワンピースを作る時、幅が広いのでハギの問題はほとんどないのですが、反物となれば生地幅の狭さから大きいパーツではハギを作るなど型紙の修正を行わなければならなくなります。さらに、反物からすでに着物として作られているものをリメイクするとなれば、切込みが入っていたりと使用できる幅がもっと狭くなっている部分も出てきます。ワンピースを制作するには、縫い合わせるために縫い代も必要になり、その分も確保するために計画的な作図をする必要が出てきます。

着物リメイクでは、まずは縫合されている部分をほどいて一枚の布として広げることから始めてみます。そこから、最大使用できる幅をチェックしておき、前後身頃など大きなパーツの幅が入るかどうかのチェックを行っておきます。

着物リメイクでワンピースを仕立てるまとめ

一枚の布からワンピースを制作したことがあるという人でも、一枚の着物からワンピースにリメイクをするのはとても難しいものです。着物リメイクは、足りなくなったらまた追加をして生地を購入するということができませんが、限られたものから最大限のデザインをして制作するという楽しみを持っています。

着物は、形見分けとしても活用されており、両親や祖父母、親せきの人からもらったものがあるという人もいるでしょう。しかし、せっかくいいものをいただいたけれども、自分には合わないと着ないで箪笥の中に入れたままになっているのなら、別の形にしてでも着てもらえた方が故人も喜んでくれるでしょう。

着物からリメイクをしてワンピースという自分らしい形に変えてみるというのは、とても賢い利用方法です。着物ならではの柄や色、風合いなどの特徴を活かしながら、オリジナルアイテムを作ってみてはいかがでしょうか。