お花見や夏祭り、花火大会といったイベントの日には、街中に着物を着た女性が多います。日本の伝統文化としても定着している着物は、「特別な日に着たい」と年齢を問わず多くの女性が思うのではないでしょうか。しかし、普段着る機会の少ない着物を久しぶりに着ようとなると、どうやって着てたっけ…と悩まれる方も多いはずです。特に気になるのが、「下着は着るべきか」という点です。 本記事では、下着の必要性と着物に合わせる下着の種類、着るときに注意するポイントを解説します。 着物を正しく、そして美しく着られるように、ぜひ参考にしてみてください。

着物で下着は必要なのか?

着物で下着は必要なのか? 実は着物が一般服として着られていた時代は、下着は着られていませんでした。それは着物の形を崩さずに綺麗に着るためです。 このような時代背景から、「着物に下着は必要なのか」という議論がなされていました。しかし、現代では、着物を着る際も下着を着るべきという意見が一般化しつつあるのです。 事実、現在は着物用の下着が数多く販売されています。 しかし、なぜ下着を着なければいけなのでしょうか? 綺麗に着こなせるなら下着はつけない方がよいのでは?と思いの方も多いはずです。 下着を着るべき理由は主に3つあるとされています。
  • 着物や長襦袢を汚れから守る
  • 寒い時期の防寒対策のため
  • 万が一に備えて
まず1つ目の理由は、体の汗などを着物や長襦袢に付着させないためです。着物本体は特に高いものなので、汚れはできるだけ避けたいものですよね。だからこそ汚れから守るため下着は必要なのです。 また、防寒対策という理由もあります。たとえば、成人式で着物を着用する場合は真冬なので、下着がないとあまりにも寒いでしょう。そのため、防寒対策として暖かい素材の下着をつけます。 最後の理由は、着物が崩れてしまった際の備えです。なんらかのトラブルで着物が着崩れた場合に、見えてほしくない部分が顕になることは避けたいですよね。そんな万が一に備えるために下着は付けておいた方が安心です。  

着物で使う下着の種類

着物の必要性が分かったところで、次に下着の種類について見ていきましょう。「下着が必要なのはわかったけど、どんな下着を選んだらいいの?」と思われる方も多いと思いますので、1つずつ特徴を詳しくみていきましょう。  

肌襦袢

肌襦袢とは、着物用の肌着です。汗や皮脂を吸収するため、肌を保湿するために必要とされています。   肌襦袢の素材は、一般的に吸水性の高い「綿」が使われます。しかし、夏場に最適な「麻(リネン)」や保湿性の高い「正絹(シルク)」など、種類が豊富にあるので、季節に合わせて選ぶとよいでしょう。   形状タイプは、「トップスのみタイプ」と「トップスからボトムにかけたワンピースタイプ」があり、トップスのみの場合は次に紹介する裾よけが別途必要となります。  

裾よけ

裾よけは、トップスタイプの肌襦袢とセットで着用する着物用の肌着です。裾周りから腰までの長さで、見た目はスカートのようなイメージを持つとわかりやすいかもしれません。 裾よけは、「長襦袢を汚れから守ること」と「裾周りが足に絡んだり乱れたりすることを防ぐ」という2つの役割を果たしています。 肌襦袢と同様に、素材は様々な種類があるので、季節に合わせて選ぶとよいでしょう。  

和装ブラジャー

和装ブラジャーは、その名の通り和服向けに作られたブラジャーのことです。一般的なブラジャーは、バスト部分に凹凸を出し立体的に見せます。しかし、和装ブラジャーは、凹凸が出ないように胸を潰します。 胸を潰す理由は、着物はできるだけ胸に膨らみを持たせない方が、美しく着こなせるからです。あらゆる着物でつけられる和装ブラジャーは、ひとつ持っておいても損はないでしょう。

ノンワイヤーブラ

和装ブラジャーを持っていない方は、ノンワイヤーブラを使うのもよいでしょう。和装ブラジャーと同様に、ワイヤーがないので長くつけていても気になりません。 ただ、ノンワイヤーブラは、通常ブラジャーと同じくバストが強調された形になっていることが難点です。着物でバストを強調する必要はないので、なるべくパットの薄いタイプを選ぶとよいでしょう。

キャミソール

普段から使っているキャミソールを着ることもおすすめです。キャミソールはブラジャーのように締め付け感がなく、通気性も比較的高いので心地よく着られるでしょう。 ただし、キャミソールを長襦袢の下に着る時は、Vネックタイプまたは衿部分が広いUネックタイプを選んでください。 着物は、衿部分がVの形になっており、通常のクルータイプでは中のキャミソールが見えてしまうことがあるため、注意が必要です。

肌着を着用する時の注意点

肌着を着用する時の注意点 女性は特に振袖を着る機会が多いため、振袖の着こなしはこだわりたいものです。         ここからは、振袖における肌着の着用時の注意点を2つご紹介します。

衿の形

振袖に限らず、着物は衿の形に注意すると美しく着こなせます。 着物は、「衣紋」と呼ばれる後ろ側の衿を抜いて、うなじを見せることが昔から「粋」とされていました。 振袖を着る時も、衿を抜くことが美しく着こなすための秘訣です。しかし、この衿から肌着がチラっと見えていたらどうでしょうか?どこかだらしないような、野暮ったい印象を受けてしまいます。 なので、肌着は、抜いた衿から見えないような衿ぐりが深いタイプを選びましょう。 和装用の肌着は、衿ぐりの深いタイプが多いので、迷った際には正式な和装用肌着を選ぶことをおすすめします。

体の形がハッキリするものは避ける

振袖の着用時の注意点2つ目は、「体の形がハッキリするものは避けること」です。 一般的に洋服を着るときは、ボディラインにメリハリがあると美しく着こなせます。 しかし、着物の場合は、体の形がハッキリすると美しく着こなせません。なぜなら、着物は「帯」を締めなければならないからです。 女性が着物を着る際、帯はボディラインが最も強調される胸元のやや下あたりで締めます。そのため、帯に胸が乗っかったような状態となり、一目みると胸が垂れ下がった見た目になってしまうのです。 実は、着物が日常服であった昔から、胸が垂れ下がった見た目にならないよう、胸元にはサラシが巻かれていたと言われています。現在販売されている着物用の和装ブラジャーも、胸の形をはっきりさせないような構造です。 胸が垂れ下がって見えることを避けるため、体の形がハッキリする下着は避けなければなりません。このように考えると、やはりおすすめは、胸の形が強調されない和装ブラジャーもしくはパットがないキャミソールです。  

まとめ

今回は、着物の下着は必要なのか?という疑問について解説し、着物の種類・着用時の注意点を紹介しました。 最後に内容をおさらいしておきましょう。
  • 着物に下着は必要である
  • 着物の下着は、肌襦袢、裾よけ、和装ブラなどがある
  • ノンワイヤーブラやキャミソールでも代用が可能
  • 振袖の着用時の肌着選びは、「抜き衿から肌着が見えないこと」「体のラインがハッキリする下着は避けること」に注意する
美しい着こなしは、細部に宿ります。着物を美しく、正しく着られるように、下着もこだわってみましょう。