
昭和30年代から広まった国内の切手蒐集ブーム。
古いコレクターの中には、中国の切手だけを集めたりと、外国の切手を中心にコレクションする方もいらっしゃいます。
ここでは、そのなかでも「香港切手」を買取する際のポイントやそのコツについてご紹介します。
香港の歴史と香港切手の種類

香港は様々な歴史に翻弄された国のひとつと言えます。
1842年(嘉永1年)、中国(当時の清王朝)はアヘン戦争でイギリスに敗れ、南京条約の締結により「香港」はイギリスの領土となります。
それから20年後の1862年に香港で使用することを目的としてイギリスで発行された切手が、最初の「香港切手」となります。この切手は日本の切手発行(1894年・明治27年)よりも早く、東アジア史上初の郵便切手となります。
第二次世界大戦が勃発すると、香港はイギリスから日本の占領下へと変わり、1942~1945年(昭和17年~20年)の間、香港内では日本の郵便局が切手を販売しました。
その後、1997年(平成9年)に香港は155年ぶりに中国(中華人民共和国)に返還されることになり、いまでも中国の特別自治区となっています。現在の香港で使用されている切手は、中国で使用されているものと同じ切手です。
このように香港は、中国からイギリス、イギリスから日本、中国への返還と様々な国の領土となったことから、その国々の切手が存在します。
但し、いわゆる「香港切手」と呼ばれているものは、はじめにイギリスの領土となりイギリスが発行した切手と、その後、日本の占領下となった際に日本が発行した切手の2種類を指します。
1997年にイギリスから中国へ返還された以降、香港で使用されている切手は、香港切手には含まれないとされています。
香港切手の主な種類
先述の通り、香港で最初に使用された切手は1862年に発行された切手で、ヴィクトリア女王(イギリス)の横顔が図柄になっており、額面が2セント,8セント,12セント,18セント,24セント,48セント,96セントの7種類が発行されました。これらの切手は香港で使用するために最初に発行された切手であることから「一番切手」とも呼ばれています。
そのほか、主な香港切手をご紹介いたします。
切手名称 | 発行年 |
---|---|
香港植民地50年記念切手 | 1891年 |
ジョージ5世在位25周年記念切手 | 1935年 |
香港植民地100年記念切手 | 1941年 |
日本占領下の切手(香港独自) | 1945年 |
エリザベス女王銀婚式記念切手 | 1972年 |
ブルース・リー切手 | 1995年 |
査定する前に知りたい!香港切手の相場とは?

香港切手の買取相場についてですが、残念ながら日本国内ではあまり需要は高くなく、査定額もそれほど高くならないのが実情です。
香港切手の査定額は、国内の通常の切手と同程度と考えたほうがよさそうです。但し、限られた期間や環境で発行された香港切手は、日本国内での人気はさほど高くはないものの、貴重な切手であることは確かです。
香港では、中国返還前に発行された所謂「香港切手」を集めているコレクターもいますので、少しまとまった数をお持ちなら、香港で査定してもらったほうが適正な価格での査定額になるかもしれません。
香港切手以外の外国切手の買取について

香港切手の種類や相場についてはこのような状況ですが、それでは、それ以外の外国切手の状況はどうなのでしょうか。
香港切手以外にも、外国切手を中心に蒐集しているコレクターは意外に多く、需要も比較的高いのです。
国内切手のみならず、外国の切手にも高値がつく切手はあり、そういった希少価値のある切手を集めている蒐集家もいます。
高値が付く外国切手で有名な切手には、主に「ペニー・ブラック」や「ブルー・モーリシャス」という切手があります。
ペニー・ブラック
ペニー・ブラックは、香港切手の一番切手よりも20年以上前に、1840年に世界初の切手のひとつとしてイギリスで発行されました。
ペニー・ブラックの価値は、数10万円を超えるともいわれ、未使用できれいな状態であれば更に高値が付く可能性もあるプレミア切手です。
ペニー・ブラックの「ペニー」とは、額面1ペニーからそう呼ばれていますが、ペニー・ブラックの他にも、「ペニー・ブルー」や「ペニー・レッド」という青や赤の印刷がなされた切手も存在します。
ペニー・ブルー
ペニー・ブルーは世界で2番目に発行された切手として有名で、10万円を超える価値があるともいわれ、状態によっては、ペニー・ブラック以上の価値を持つこともあるという非常に価値の高い切手です。
またチェックレターと呼ばれる偽造対策用の番号が印字されていたり、この時代の切手にしては高い技術で作られています。
ペニー・レッド
ペニー・レッドは、すでに発行されていたペニー・ブラックで偽造が横行し、それに対応するために発行された切手です。
前述の2つの切手と比較すると価値は下がるものの、それでも1万円ほどの価値を持つ、これもプレミア切手といえます。
ブルー・モーリシャス
ブルー・モーリシャスは、1847年にモーリシャス島で発行された切手で、1ペンスと2ペンスの2種類を合わせても、現在、世界で26枚しか発見されていない大変希少価値が高い切手で、市場に出てくることはほとんどなく、もし出てきた場合には1億円を超える値が付くのではといわれています。
香港切手買取で少しでも高い査定額をつけるためには

時代に翻弄された歴史を持つ香港で使用された「香港切手」。
ただ、さほど需要は高くなく、現状では価値もそう高くはないのですが、それでも東アジアで最初の切手となった歴史の古い切手です。
そのため、香港の一部コレクターには根強い人気があるようです。もしかしたら今後、日本国内でも人気が高まってくることがあるかもしれません。
その時の切手買取で後悔しないためにも、下記に注意するようにしましょう。
査定する前に注意しておきたいポイントと保管方法
香港切手などに代表される特に年代の古い切手は、現代の切手とは違い、防カビ処理が施されていないため、カビがはえたり、シミが付きやすいのです。
そうならないためにも、吸湿材を使用した密閉可能なボックス内に保管するなど、湿気の少ない場所で管理するよう心掛けましょう。
また、変色を防ぐためにも切手用のピンセットを使用するなど、古い切手に指で直接触れるのは極力避けるようにしましょう。
香港切手以外でも価値を下げないために心掛けること
また香港切手買取で、香港切手以外の切手も同時に依頼する場合には、それらの切手の価値も下がらないよう、バラやシート、また、未使用の状態の切手であれば、なるべくそのままの状態で買取に出すようにし、自分が納得できる査定額で切手買取ができるようにしましょう。
香港切手の高額買取のポイントとコツ:まとめ
香港切手の買取価格や高額買取のポイントについて説明してきましたが参考になりましたでしょうか。
日本国内に限るとそこまで需要が見込めない香港切手ですが、中国返還前に発行された香港切手には一部の根強いコレクターがいることや、歴史的価値を考慮すると貴重な切手であることは確かです。
香港切手をお持ちの方は一度査定に出して価値を知っておくのも一つの選択肢でしょう。
また、今後も保管しておきたい場合には、今回ご紹介した保管方法を参考に価値を落とさないようにしましょう。