
戦後しばらくして、日本では切手ブームが起こり、子供たちを始め、当時の大人たちも夢中で切手を集める時代がありました。
今では、切手を使用する機会は減ってしまったものの、切手ブームで育ってきた子供たちが大人になり、さらに切手収集の熱を高めている方も少なくありません。
そんな切手収集家の中でも、絶大な人気を誇る切手のひとつこそ、中国切手です。
特に文化大革命時代に発行された中国切手は、その希少性から、非常に高額な取引がされています。
そのひとつである、パンダ切手をご存知でしょうか。
この切手も文化大革命時代に発行された切手で、入手するのは非常に困難とされています。
今回の記事では、そんなパンダ切手に焦点を当て、種類や価値、そして買取において高く売るためのコツを解説していきます。
中国切手の一つ、パンダ切手について

初めに、パンダ切手を紹介していくうえで、切っても切り離せない中国切手について紹介していきます。
この中国切手を知ることこそ、パンダ切手を知る近道となります。
中国切手とはどんな切手を指すか
中国切手とは名前の通り中国で発行された切手を指し、現在でも中国本土で流通しています。
しかしながら”切手買取市場における中国切手”とは「文化大革命時代に発行された中国切手」が該当します。
その中でも有名な赤猿やパンダ切手は、文化大革命時代に発行された中国切手のひとつとなります。
この時代は切手の発行枚数が少ないうえに切手収集が困難な時代であったため、残存する切手が非常に少ないとされています。
ゆえに希少性が高いことから、高額で取引されている切手が多く、文化大革命時代に発行された高額買取になりやすい切手を『中国切手』と連想する方も多くいます。
しかし中国切手は、文化大革命時代に発行された切手だけではなく、その時代によってそれぞれ特徴があります。
中国が清の時代だった頃の切手は、比較的落ち着いた雰囲気の切手が多く、龍などが描かれています。
それに対して、中華民国の時代では、米国製の物が多く流入してきたため、比較的派手な切手が多く、英雄などが描かれています。
このように、国の時代によって切手の雰囲気が変わるのが、中国切手の特徴と言えます。
なぜプレミア切手が多いのか
上記でも述べているように「文化大革命時代に発行された中国切手」には、非常に多くのプレミア切手があります。
しかし、なぜこんなにもプレミア切手が多いのでしょうか。
その理由は、歴史的背景に大きく起因しています。
千差万別ある中国切手ですが、文化大革命時代に発行された切手は、多くのプレミア切手が存在しています。
文化大革命時代では、切手の収集が禁止とされており、それどころか海外への輸出も禁止されているような状況でした。
同時に、国内での切手廃棄もたくさん行われており、現存する文化大革命時代の中国切手のほとんどは、中国に旅行としてやってきた観光客が自国に持ち帰った物であるとされています。
ゆえに文化大革命時代の中国切手の希少性はとても高く、高額で取引されていため、プレミア切手と呼ばれる切手が多くあるのです。
パンダ切手が人気の理由
プレミア切手が多く存在する中国切手ですが、その中でもパンダ切手は特に高額で取引されている切手のひとつとされています。
文化大革命時代の切手は、毛沢東などが写った政治的要素をモチーフにしたものを強く反映した切手が多く、当時としては珍しいパンダが描かれたパンダ切手は海外からも人気を博しました。
このパンダ切手は、中国の画家である呉作人の水墨画により描かれた絵が図案となっており、有名な画家による絵からも人気を博したとされています。
また、絵のモデルがパンダであることから、切手収集家以外の方からも根強い人気があるとされています。
パンダ切手は種類によって価値が変わる

実はパンダ切手には、1963年に発行されたオオパンダ切手一次と昭和48年に発行されたオオパンダ切手二次があります。
それぞれの特徴を見てみましょう。
オオパンダ切手一次
文化大革命が始まる前の昭和38年に発行されたオオパンダ切手一次は、3種類で1セットとなっております。
上記でもわかるように、文化大革命による歴史的背景から、切手収集が禁止されただけでなく、多くの切手が破棄されたと言われています。
もちろん、オオパンダ切手一次も例外ではなく、オオパンダ切手一次は非常に希少性のある中国切手となっています。
オオパンダ切手二次
プレミア価格が期待できるオオパンダ切手二次は、6種類で1セットとなっています。
日本では、その前年の1972年に上野動物公園に、カンカンとランランが贈られ、パンダブームが巻き起こりました。
そのため、オオパンダ切手二次は、一次よりも希少性が低くなっています。
パンダ切手を高く売るコツ

実際にパンダ切手を1円でも高く売りたい場合は、どうすればよいのでしょうか。
実は切手の買取相場は、業者によって買取った切手を販売する販路が違うため、買取価格には若干の差異があります。
そこで、以下ではパンダ切手を1円でも高く買取してもらうためのコツを紹介していきます。
切手の価値をしっかりと見極めてもらおう
切手を買取してもらえる業者は、多岐に渡ります。
現在、切手を使用する機会が少なくなってしまったため、切手を売りたい方が多く、買取が盛んに行われています。
実際に、パンダ切手などのプレミア切手を買取ってもらう場合には、切手の買取専門業者に見てもらうことをオススメします。
というのも、プレミア切手を適正な価格で買取ることができるのは、買取ったプレミア切手をその価格以上に販売する販路を持った業者に限ります。
そのような安定した販路を確立するためには、切手の価値をしっかりと見極める査定員がいるからこそです。
そのためプレミア切手などを売る場合には、切手買取に力を入れ、切手の価値を見極める査定員がいる切手買取専門業者に依頼することをオススメします。
状態には注意
切手を1円でも高く売りたい際には、状態にも注意が必要です。
とくにパンダ切手などのプレミア切手は、状態が値段を左右するケースも多くあります。
そのため、シミや汚れ、破れてしまったり折れてしまったりしないように、気を使って管理することをオススメします。
また切手は湿気に弱いため、なるべく湿気の無い場所に保管するのはもちろん、なるべく空気に触れないように、密閉されたアルバムに保管するのが良いでしょう。
できればシートの状態で
切手買取においてはバラよりシートの方が高値になります。
なぜシートの方が高値かというと、皆さんが知っている「四隅にギザギザのついた切手」は複数枚がセットになった「シート」と呼ばれる状態で販売されています。
これを郵便局などで購入する場合、一枚一枚切り離し「バラ」と呼ばれる1枚単位~数枚単位での切手になります。
ですから、切手買取市場では「一枚も切り離していないシート状の切手」が、いわゆる完品として扱われるため、バラよりもシートの方が高値になるのです。
また買取った切手を販売する際、シートの状態の方が需要が高く、販売しやすいため、バラよりもシートの方が高く買い取ってもらえる傾向にあります。
上記の理由から、バラよりもできればシートの状態で買取を依頼した方が、高額買取の可能性が高いと言えます。
そのため、極力シートでの保存を心掛けましょう。
パンダ切手まとめ
切手の買取は、とても奥が深いです。
とくにパンダ切手のようなプレミア切手の買取を依頼する際には、予め相場を把握し、複数の業者に掛け合って相見積もりをしていくのも良いでしょう。
ただ、相場は日々変化していくため、その時に調べた相場の価値がいつまで続くのかを予測するのは難しいと言えます。
そのため、不要に感じたり、置き場所に困ったときには、今すぐにでも査定に出して価値を確かめ、査定金額に納得したら買取ってもらうという選択肢もお得に処分するひとつと言えます。