
世界最古の切手であるペニーブラックが発行された31年後、日本でも切手の発行が開始されました。
その時に発行された日本最古の切手こそ『竜切手』です。
この切手は、現在でも絶大なる人気を誇る日本最古の切手として君臨しています。
この記事では、そんな竜切手について紹介していきます。
竜切手の一つ、竜銭切手とは

日本最古の切手である竜切手は、2つに分類することができます。
実質初めて発行された切手は、竜切手である『竜文切手』で、その一年後に竜切手である『竜銭切手』が発行されました。
これらをまとめて『竜切手』と呼びます。
しかし、竜銭切手と竜文切手には少し違いがあり、希少性は2番目に発行された竜銭切手の方が高いとされています。
その理由も含め、以下では竜切手について紹介していきます。
竜切手の発行の歴史
1871年に竜文切手が発行された1年後の1872年に発行されたのが竜銭切手です。
これら切手が発行されたのは、日本郵便制度が創業されたためと言われています。
先進国を筆頭に近代的制度として導入されていた郵便料金前納を、日本でも導入する必要があり、切手の発行に至ったとされています。
この時すでに海外では郵便料金前納が導入されていたため、ペニーブラックという世界最古の切手が誕生しています。
この切手は、竜切手でも古い方の竜文切手が発行される31年前に発行されました。
実に、31年の時を経て日本で初の切手が発行されたのです。
竜切手の特徴
竜切手の特徴は、竜が描かれているのが大きな特徴です。
当初は、郵便近代制度の創始者である前島密の提案により提案された梅花模様のデザインが案として浮上していました。
しかしこの梅花模様のデザインが偽造されやすいと判断されたため、当時政府からお金の印刷などを任されていた銅板彫刻師の松田敦朝に依頼をされ、今日我々が知る竜切手のデザインとなりました。
竜切手を発行した当時、日本ではまだ印刷技術が未発達だったため、手彫りの版を用いて印刷されていました。
そのため手彫りの版で印刷された手彫り切手は、全く同じ版を作ることが困難なため、ある程度の偽造防止に役立ったとされています。
そのため、同じ竜切手でも印刷により、それぞれわずかな違いがあり、この差によって買取における価格などが少しずつ変わっていきます。
そのため、竜切手にはそれぞれ微妙な違いがあり、この差によって、買取における価格などが少しずつ変わっていきます。
竜切手の希少性
上記でも述べたように、希少性の高い竜文切手以上に、竜銭切手の希少性は高いと言われています。
その大きな理由は、竜銭切手の発行期間です。
竜銭切手が発行された1872年の2月からわずか5か月後に政府機関が切手の製造発行をすることになり、竜銭切手に取って代わり、新たに『桜切手』が発行され、竜銭切手の幕が閉じました。
またこの頃、新しい通貨単位である円が導入され、切手の額面を変更せざるを得なかったために竜銭切手の発行が停止されたというのも大きな理由のひとつとされています。
上記でわかるように、竜銭切手の発行期間は非常に短かったため、ほとんど流通することがなく、その残存数の少なさから、極めて希少性の高い切手のひとつとなりました。
本物の見分け方!竜切手は偽造品に注意!
上記でも述べた通り、竜切手は高値で取引されるプレミア切手となります。
そのため、偽造品や模倣品など、本物ではない竜切手が多く出回ってしまっているのも事実です。
そこで以下では、本物でないケースの竜切手をいくつか紹介していきます。
▼本物の竜切手画像

竜切手の模造品や模倣品の特徴
- ● 竜文切手の銭の上に、横文字で『参考』と小さく書かれている
- ● 中心に書かれている『銭500文』などの文字が薄い
- ● 薄くペラペラとしていて切手が透ける
- ● マージン(切手と切手の間の余白)が際立って大きい
- ● 未使用に比べて使用済みの竜切手は贋物の可能性が高い
上記の事例は切手買取市場の中で発見された事例のため、ここに記載されていないケースもございますのでご注意ください。
また本物と見分けがつけにくいとても難しい竜切手があるのも事実です。
そのため、少しでも怪しいと感じたり、本物かどうなのか知りたいと思われた方は、一度プロの査定員に見てらもうことをオススメします。
使用済みの竜切手は買取可能?

「使用済み切手」とは、はがきに貼られた状態のものや消印が捺されてしまった切手です。
一般的な切手買取においては、その切手がプレミアであるか、そうでないかに関わらず、使用済みであるがために買取不可になってしまうケースも少なくありません。
しかし、竜切手においては違います。
竜切手の場合、消印がついていることで、高額買取になる可能性もあるのです。
また、消印が綺麗に切手の枠に収まっている『満月』と呼ばれる状態の場合ですと、欲しがる収集家がいる=買取の可能性もあるので、一度専門店へ相談してみても良いでしょう。
竜切手を1円でも高く高額買取してもらうために

ここまでで竜切手の希少性の高さを十分にご理解頂けたかと思います。
それでは、実際に竜切手の買取を依頼する場合のコツなどはあるのでしょうか。
ここでは竜切手を1円でも高く売りたい方のために、いくつかポイントを紹介していきます。
竜切手の価値を見極めてもらう業者選び
竜切手の希少性は極めて高いため、竜切手を買取る業者は多岐に渡ります。
しかしプレミア価格で買取った切手を、プレミア価格以上で販売する販路を持った業者は多くはありません。
そのため、竜切手の価値を適切に見極めてもらう業者選びはとても大切な項目と言えるでしょう。
高額買取の可能性が高いプレミア切手ですので、実際に業者を選ぶ際には、妥協はせずに複数の業者に当たってみることをオススメします。
どんなに実績や歴史を築いてきた業者でも、切手の種類によって、切手を販売する販路が違い、時の経過とともに相場も変化するため、各業者の買取価格には若干の差異があります。
そのため、複数の業者に買取の依頼をし、一番高く買い取ってもらう業者を見極めることで、1円でも高く買取ってもらう可能性を高めることができます。
査定前に買取相場の把握をしておきましょう
切手買取を依頼する際には、査定前に相場の把握をしておくことをオススメします。
というのも、予め査定前に相場を把握しておくことで、買取業者との価格交渉を有利に進めやすくなります。
また実際に、トレンドの相場を把握するためにネットオークションや切手ショップなどに足を運び、販売されている価格を調べてみるのも良いでしょう。
できれば、最適な方法で保存しておきましょう
切手の買取価格を決めるうえで、保存状態はとても大切なポイントとなります。
竜切手などのプレミア切手を購入する切手収集家たちは、切手の保存状態をとても気にしています。
ゆえに保存状態が良ければ良いほど高額買取になる可能性は高くなります。
そのため、切手の保存方法には気を遣った方が良いでしょう。
切手は湿気などに弱いので、できるだけ湿気の少ない場所に保管し、なるべく空気に触れないよう密閉された切手アルバムに保存しましょう。
また手の脂でも切手にシミができてしまったりするので、扱う際はなるべくピンセットで扱った方が良いでしょう。
特に古い切手は、湿気によるシワや経年変化による劣化、日光による日焼けに注意し、可能な限り価値を下げないよう慎重な取り扱いが重要です。
竜切手の買取を考えるうえで
今回この記事を読んで、竜切手の買取を依頼してみようとなった方もいらっしゃるでしょう。
最後にひとつ伝えておきたいのは、切手の相場は、常に変化しているということです。
切手を使用する機会が少なくなってしまった一方で、当時切手ブームだった子供たちが切手収集家となり、現在でも多くのプレミア切手が売買されています。
しかし、この状況がいつまで続くのかは、予測が難しい部分です。
そのため、お手元の竜切手の価値を少しでも知りたいと思われた方は、すぐにでも、プロの査定員に査定してもらうことをオススメします。