貨幣というものは時として本来の価値を大きく超える値段で取引されるます。その一例がナンバーがそろったもの。コレクションとしての価値が高いものですが、紙幣の中には考古学的な価値を持つものの代表が世界最古の紙幣である交子です。

中国と紙幣

世界最古の紙幣といわれている交子。 その起源は、古代中国にさかのぼります。紙が開発されたのは古代中国で、紙幣が世界各地で使われるようになるまでには非常に長い年月を必要としました。というのも、紙は非常に貴重なものだったからです。ヨーロッパに紙の製法が伝わったのは、イスラーム諸国との聖戦がきっかけになったことなど歴史的な背景が深くかかわっています。また、世界最古の紙幣が発行されたのは鉄銭の代用品でしたが、今では紙幣が貨幣の中心となっていることも興味深い事柄のひとつです。

銅銭と鉄銭と紙幣

世界最古の紙幣が生まれたのは、銅銭の流出を防ぐという目的がありました。 世界最古の紙幣である交子は鉄銭と交換可能な紙幣として活躍していたそうです。経済行動の拡大とともに、市場に流通する貨幣が欠乏していくというのは、歴史上幾度となくみられた現象です。交子が生まれた背景には、この貨幣の欠乏という現象が付きまとっています。当時の中国では銅の流出を防ぐために鉄銭の使用が推奨されたらしいのですが、どうしても鉄銭の価値は低くなってしまい、持ち運ぶ際にも銅銭と比べて重いという問題点がありました。そうした問題を解決するために世界最古の紙幣が生まれました。

貨幣の因果応報

紙幣を発行するうえで問題となるのは、国家の信用です。金や銀といった金属は、それ自体が価値を持っています。そのため価値の変動にブレーキがかかります。その一方で紙幣はどうかというと、価値の変動が発生しやすいという問題があります。これは世界最古の紙幣でも同様です。その問題の最もたる例はこの世界最古の紙幣の後継といえる公鈔。元において発行されたものですが、発行しすぎて価値が下がってしまったのです。世界最古の紙幣は銅銭の価値を下げないために作られたことを考えれば歴史の皮肉としか言いようがありません。