掛け軸は、素人ではなかなか本物の見分けがつきにくい骨董品の一つです。また、保存状態が悪いと色褪せやカビが生じてしまい、価値を下げてしまいます。骨董価値を保つためにしておきたいことは何でしょうか。

                          

所有している掛軸の価値を把握して手入れをする

掛け軸は、墨で書かれたものと絵の具を用いて描かれたものがあります。どちらも作者や年代によって墨や絵の具の種類が異なることが多く、それを元に時代や作者を推測して本物かどうか見極めたり価値を決めたりします。落款や紙の種類も鑑定する上では重要な資料です。 墨も絵の具も自然光にさらすことで色褪せしやすくなります。また、表具も絹を使用しているものは虫食いしやすく、紙も虫食いやシミが出てきます。掛け軸は傷んでしまうとその価値は下がります。長い間巻いたままになっていたら、一度出して状態を確認しておきましょう。 しまったままの掛け軸があったら、できるだけ早く広げて状態を確認します。まず、肉眼で分かる傷みがないかどうかを見てみましょう。仮にあっても諦めてはいけません。貴重な人物の作品だったり、歴史的資料価値の高い書の場合もあったりするからです。特に、家に古くから伝わるものでその価値を正しく知る人物がいない時には、専門の鑑定士に見せるとその後の扱い方の参考になります。

修復と加筆の違いを知る

見た目では分かるキズや汚れがないものでも、専門家にしか分からないものはたくさんあります。本物であっても後から加筆されていると、価値が無くなることは良くあります。ただし、修復されているものは価値には影響しません。 価値の高い掛け軸でも、専門家が見ると加筆されているものもあります。たとえば、本来の作品には無かった文字を書き足したり、絵の具を塗り足したりする行為です。有名作家のものであれば絵の不自然さでも判断できますが、絵の具の種類の違いでも分かります。また、広げた時に絵や文字に欠けがあった場合に素人が修復しようと塗り足すのも、加筆と判断されてしまいます。 もしも、掛け軸の絵や書にかすれている部分や傷みが見られたら、専門の修復士に依頼しましょう。特に骨董価値のある掛け軸や歴史的資料になるものは、早めに修復しておくと傷まずに済みます。 これは表具も同様です。表具には古くても価値の高いものもあります。見た目で判断せず、鑑定士に見てもらってから修復すると失敗を防げます。


適切な保管と手入れで価値を下げない

掛け軸は、普段は巻いた状態で保管します。保管場所はできるだけ湿気の少ない場所を選ぶようにすると、カビを防ぎやすくなります。箱がついている時には箱に入れた状態で保管しましょう。箱書きがあるとさらに価値は上がります。箱が古くても入れておくことで掛け軸の価値も上がるからです。 湿気の多い時期には乾燥剤を入れておくのも良い方法ですが、強いものは逆に傷つけることもあります。着物用の乾燥剤を使用する場合も掛け軸からは離して使いましょう。そして、定期的に箱から出して虫干しします。あくまで陰干しに留め、直射日光は避けます。 掛け軸は適切に手入れし、必要に応じて正しく修復されていれば、その価値は下がりません。家宝として大切に使い続けることができます。譲り受ける者がいない時でも、価値を下げないことで専門の業者に買取してもらうのも十分可能です。