希少価値の高い骨董品を集めるのは楽しいですが、数が増えていくと盗難や災害よる破損などが心配になってきます。その場合は、保険に加入し、たとえ骨董品自体は戻らなくても、せめて金銭的被害は未然に防げるようにしたいものです。しかし、骨董品の被害を補償してもらうには、どのような保険に加入すれば良いのでしょうか。よく分からないという人のために、骨董品と保険の関係についてご説明します。

家財保険では不十分なケースが多い骨董品の補償

身近な保険で骨董品の被害を補償してもらおうと考えた場合、最初に思いつくのが火災保険です。確かに、火災保険は火事になれば一定の補償をしてくれますし、契約内容よっては、水難や盗難にも対応可能です。しかし、気をつけてほしいのは、火災保険とは建物の被害に対する補償であって、家具やインテリなどは最初から補償の対象外だという点です。もちろん、骨董品も例外ではありません。建物以外のものを補償してくれるのは、家財保険なので勘違いをしないように気をつけましょう。それなら、家財保険に入っていれば安心かと言えば、そうとも限りません。家財保険は原則として、1つ30万円を超えるもの関しては、それ以上補償しなくて良いことになっています。もし、全額補償をしてもらいたいのであれば、保険加入時に30万円以上の品をすべて申告する必要があります。これを明記物件といいます。また、保険会社によっては、明記物件の制度がない代わりに、ひと事故あたりの補償は100万円までというように上限を設けているところもあるので注意が必要です。

手厚い補償で安心の動産総合保険

高価な骨董品がたくさんある場合、家財保険では十分な補償は期待できません。そこで、おすすめしたいのが動産総合保険です。動産総合保険は不動産以外のあらゆるものが補償の対象になっています。しかも、火災や盗難などによる被害だけでなく、骨董品のメンテナンスを行っている途中でうっかり床に落として割ってしまったなどといったケースでも補償をしてくれるのです。さらに、車や船舶での輸送中の破損にも対応してくれるなど、非常に安心感の高い保険だと言えます。ただ、メリットが大きい反面、デメリットもあります。動産総合保険に加入した場合、骨董品や美術品などは正確な補償額を確定するために、すべて鑑定に出さなくてはならないのです。しかも、鑑定料はすべてこちら持ちになります。点数が多い場合はその費用だけでも馬鹿になりません。そして、これだけ補償の厚い保険なので、当然、保険料を高くなります。したがって、保険に加入する際には、保険料が品物の価値に見合っているかをよく検討することが大切です。


買取に出す際は業者側の保険加入の有無が重要

高価な骨董品を所有している人にとって、保険は心強い味方になってくれますが、買取に出す場合はまた別の問題が生じてきます。ごく稀ではありますが、骨董品の買取査定中に、お客様から預かった商品に業者が傷をつけてしまうケースがあるのです。この場合の責任は業者側にあるので、所有者が保険を使うのではなく、業者に賠償金を請求することになります。たいていの業者は損害賠償保険に加入しているため、そこからお金が支払われるのですが、万が一、保険に入っていないとなれば、大きなトラブルになりかねません。そこで、高値がつきそうな骨董品を査定してもらう時には、念のため、保険に入っているかどうかを事前に確認しておきましょう。もし、保険に入っていないようであれば、そのような業者は避けた方が無難です。苦労して集めた骨董品も、ちょっとした油断によって台無しになってしまっては、悔やんでも悔やみきれません。保険があっても骨董品自体が戻ってくるわけではありませんが、万が一の時、これまでの努力が全くの無になってしまわないためにも保険の加入を検討してみてはいかがでしょうか。