時代を経てきた古美術は、お手入れ方法や保管方法を誤ってしまうと急速に傷みが進んでしまいます。時には、壊れてしまうことさえあります。売りに出す際にも価値が格段に下がってしまうため、正しい保管方法を覚えておきましょう。

購入後はまずお手入れを

骨董市や古美術店でお気に入りの古美術と出会って連れて帰ってきたならば、まずはそれぞれの特性に合ったお手入れをしましょう。そして、どんどん生活の中で使っていきましょう。時代を経た風格や新しいものにはない温かな雰囲気は使ってこそ、その良さが分かります。ただし、高価なものは観賞用と割り切って洗わないほうが安心です。日常的に使う骨董は使用する前に表面に付いた汚れを落とします。ただし、きれいに古びを落とし過ぎても味わいがなくなってしまうので品物の状況に応じて加減しましょう。

品物によって変わるお手入れ方法

陶磁器は台所用の中性洗剤をぬるま湯で溶かしてスポンジで洗います。金彩、銀彩など漂白剤を使わない方がよいものもあるので、事前に確認しましょう。器の裏側などについた頑固な汚れは、台所用漂白剤を薄めて数時間つけ置きします。その後、歯ブラシでやさしくこすります。普段使いする漆器は、購入後にまずはエチルアルコールを含ませたやわらかい布で拭きます。その後、ぬるま湯に中性洗剤を溶いたものを布に含ませて洗います。漆器は扱いさえ気を配れば、年を経るごとに丈夫でつややかさを増します。漆器も保管法は使うことです。使った後はやわらかな布で洗います。あとは自然乾燥させます。漆器が嫌うのは日光と乾燥です。やわらかい和紙か布に包んで箱にしまいます。エアコンの風が当たらないとことに置きましょう。古いガラスは今のものと比べるともろいので、取り扱いには気を付けましょう。熱に弱いので、ぬるま湯ではなく室温の水でやさしく洗いましょう。和ダンスや小引き出しといった古い木の家具は内部に虫がいることがあります。そのままにしておくと虫が湧くこともあります。購入後に品物が入るくらいの大きなビニール袋に燻蒸式殺虫剤といっしょにして駆除しておきましょう。


長期保存の保管方法

ウコンで染めた濃い黄色の木綿布は防虫効果があることから、古美術や骨董の保管する際に重宝されてきました。大きな骨董市や茶道具の専門店で手に入ります。陶磁器や漆器、ガラス器の保存はウコン布で包んで収納しましょう。包んだものは桐箱にしまいます。桐箱は大切な品物の保管に最も適したものです。桐は金庫の内部にも用いられるように耐火性が高い特性があります。また、柔らかさもあるので落としてしまっても衝撃を吸収してくれます。桐箱は蓋の木目に対して直角になるように結びましょう。ふたの上に品物の名前を墨書きする時には木目にそって書きます。この墨書きと結び目が直角になると見栄えが美しいのでこのように結びます。桐箱の置き場所は湿気が少なく温度も一定のところが理想的です。そうはいっても、自宅で適当な場所がないこともあるでしょう。親から受け継いだ掛け軸などは管理も難しいものです。価値のある品物であっても、お手入れや保管方法が悪ければ状態が悪くなってしまいます。お気に入りでなければ速やかに買い取ってもらう方が貴重な骨董を守ることになります。十分に使い手放すときにその価値に見合った買取価格が付くように、付属品や鑑定書があればいっしょにまとめておきましょう。