ブランデーは、果実酒や白ブドウのワインを蒸留して作った蒸留酒です。ここではブランデーの奥深い歴史を簡単に述べていきます。

ブランデーのはじまり

ワインを蒸留する技術としてのブランデーの歴史は、西暦1世紀ごろのエジプトやギリシャまで遡ります。キリスト教が広く普及し、新約聖書がつくられた頃に生まれたお酒です。一見古い歴史を持っていると思ってしまいますが、原料となるワイン醸造の技術が紀元前4,000年頃、もしかしたそれ以前にまで遡れることを考えると、ブランデーは比較的新しいお酒、と形容した方が適切です。いずれにしても、この技術は少しずつヨーロッパに広がって、行き、7世紀ころにはイベリア半島まで到達していたようです。ブランデーが、歴史上初めて文献に登場するのもスペインで、13世紀頃にワインを蒸溜したものが気つけ薬として珍重されていたことが記されています。

「ブランデー」という名前が誕生するまで

「ワインの蒸留」という技術と「ブランデー」という名称がヨーロッパ全体に広まったのは17世紀頃ですので、とても長い時間をかけてゆっくり広まっていったことがうかがえます。当時、オランダ人が輸入していたフランス・コニャック地方のワインがすぐ酸化してしまうため、ワインを蒸留し運んでいました。すると「蒸留ワイン」が美味しいと評判になり、「焼いた(蒸溜した)ワイン(ブランデヴァイン)」=「ブランデー」として普及しました。前述のコニャック地方は、ブランデーの有名な産地として歴史に登場します。

日本におけるブランデーの歴史

ブランデーは江戸時代にオランダとの交易を通じて既に輸入され、明治時代には国産品が生産されていましたが、当時の日本人の嗜好には合わなかったことや日本の気候そのものがブランデー用のブドウ栽培には適していないこともあり、暫く長い空白が生じてしまいます。本格的に国産ブランデーが製造されるようになったのは、ずっと後、1960年代以降のことです。現在では甲州種などの国内で生産できるブドウでまず原酒を生産し、それに輸入原酒をブレンドしたものが「国産ブランデー」の主流になっています。国内の洋酒各メーカーは、少しでも味の向上を図り、少しでも良いもの、日本人の味覚に合ったものを作ろうと日々努力を続けています。