原料や製造方法によって様々な顔を見せてくれるのがウイスキーの魅力です。モルトウイスキー、グレーンウイスキー、ブレンデッドウイスキーという代表的な3種類について、製造方法や特徴をご紹介します。

                          

モルトウイスキーができるまで

モルトウイスキーとは一般的に、大麦を原料にしたウイスキーのことですが、蒸留所のある国によって表記の基準が異なります。たとえば、スコッチウイスキーの場合は大麦麦芽のみを原料としていること、アメリカンウイスキーの場合は原料の51%が大麦であることが「モルトウイスキー」と表記するための条件です。スコッチウイスキーにおけるシングルモルトとはすべての工程を1つの蒸留所で行っているもの、アメリカンウイスキーにおけるシングルモルトとは大麦麦芽のみを原料としているものを指しています。モルトウイスキーの製造方法としては、粉砕した麦芽や他の原料と水を配合する「糖化」という作業からスタートします。糖化によって麦汁ができると、次にそれを発酵させていきます。発酵が終わると、銅製の単式蒸溜器(ポットスチル)に投入し、蒸溜を2度繰り返すことで、アルコール濃度を65~70%にします。この工程を経てできるニューポットというウイスキーを樽に入れて長期間寝かせるのが「貯蔵」ですが、この貯蔵はウイスキーの風味に影響する重要なものです。風味を左右する要素としては、樽の材質や大きさ、内側の焼き具合、貯蔵庫の温度や湿度などが挙げられます。

グレーンウイスキーができるまで

グレーンウイスキーは、トウモロコシや小麦、ライ麦などを原料にしたウイスキーです。蒸留方法の特徴により、モルトウイスキーに比べ香りや味が目立たないことが多く、ブレンドしてブレンデッドウイスキーとして楽しむことがほとんどです。ただし、レアなグレーンウイスキーには長期熟成によって独特の風味を持たせているものもあります。グレーンウイスキーの製造方法は、基本的にはモルトウイスキーと同じ流れです。違いとなるのは、蒸留において「マルチカラム」という連続式蒸留機を用いることです。この蒸留方法によって、ウイスキーの個性を抑え、モルトとブレンドして引き立て役になるためのウイスキーとして製造していくのです。貯蔵が風味のポイントとなる点も、モルトウイスキーと同様です。


ウイスキーのブレンドという楽しみ方も

国内外で流通しているウイスキーの多くが、モルトとグレーンをブレンドさせたブレンデッドウイスキーです。ブレンデッドウイスキーは、各ウイスキー製造の最終工程においてブレンドを施すことで生まれます。ブレンデッドウイスキーでは一般的に、20~40種類のモルト・グレーンが混ぜ合わされています。個性の強いモルトウイスキーと優しい味わいを持つグレーンウイスキーの良さを活かすためには、熟練したブレンダーの判断が重要になっており、工程の最後に人の手が加わることがウイスキーの魅力といえるでしょう。このように原料や製造方法によってウイスキーは様々な種類があり、その価値も多様です。家に眠っているウイスキーがあれば、買取業者に相談してみると意外な価値が分かるかもしれません。